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Apple iOS 15のプライバシー機能の変更に備える方法【チェックリスト付き】

Appleは先日、「メールプライバシー保護」をはじめとする、iOS 15の新しいプライバシー機能の提供を開始しました。このアップデートは、プライバシー保護の観点からは歓迎される措置ですが、皆さまのマーケティング活動やHubSpotプラットフォームに表示される測定指標に影響を与える恐れがあります。この記事では、現時点で分かっている全ての情報をお伝えします。また、皆さまのHubSpotアカウント内で影響を受ける可能性のある箇所を特定できるチェックリストもご用意しました。

 

この記事の最終更新日:9月23日

 

何が変更されるのですか?

AppleのモバイルOSの最新バージョンであるiOS 15は9月20日にリリースされ、今後数か月かけて順次提供される予定です。今回のアップデートには、プライバシー関連の変更が含まれています。概要は次の通りです。

  1. メールプライバシー保護:Apple Mailの受信者がEメールを開封したかどうか、開封したのはいつかを差出人に知られないようにする機能です。また、受信者のIPアドレスが秘匿されるため、差出人は受信者の位置を特定できなくなります。
  2. メールを非公開:個人のEメールアドレスを非公開にしたい場合は、いつでも独自のランダムなEメールアドレスを生成して共有し、それを使って個人の受信トレイに転送できます。

 

上記の変更は、Apple MailユーザーにEメールを送信する全てのEメールサービスプロバイダーに影響を及ぼします。

 

短期的にはどのような影響がありますか?

  1. 実際のエンゲージメントに変化がなくても、開封率が大幅に上昇する可能性があります。今回の変更の一環として、ユーザーに代わってAppleがトラッキングピクセルを読み込むようになります。そのため、受信者が実際にEメールを開封したかどうかにかかわらず、トラッキングピクセルの読み込み頻度が非常に高くなります。実質、ユーザーの代わりにAppleがEメールを「開封」することになるのです。その結果、今後送信されるEメールでは、HubSpotの測定指標であるEメール開封率が大幅にアップすることが想定され、開封情報のトラッキングを活用している他のプロセスに支障をきたす可能性があります。開封率の測定指標は引き続きHubSpotでご利用になれますが、重要なプロセスやレポートには使用しないことをお勧めします。
  2. IPベースの位置情報を利用したリアルタイムのEメールマーケティング戦略が効果的ではなくなります。例えば、IPアドレスから場所を特定し、受信者のいる場所に合わせて送信時間を調整するタイムゾーン送信が、Apple Mailユーザーに対して実行できなくなる可能性があります。
  3. Eメールを開封したのが同一人物であるにもかかわらず、コンタクトレコードが複数になってしまう恐れがあります。「メールを非公開」機能を使うと、ランダムな架空のEメールアドレスを作成して、個人のEメールアドレスを知られないようにすることができます。そうすると、実際には1人しか存在していないにもかかわらず、メールを開封している「コンタクト」が複数存在すると見なされる可能性があります。

長期的にはどのような影響がありますか?

この新機能によってマーケティング戦略の転換が必要になり、短期的に不便を強いられるとしても、今回の変更は全ての顧客の体験を向上することを目指しており、必ず良い結果をもたらすと確信しています。顧客を第一に考えることは、インバウンドマーケティングの本質であり、HubSpotが創業以来提唱し続けてきたコンセプトです。顧客の成功は皆さまの成功でもあるということを忘れないでおきましょう。

 

どのように対処すればよいですか?

基本的には、現在の取り組みを継続してください。現在のマーケティング活動を維持して、優れたコンテンツと魅力的な体験を提供することに注力しましょう。ただし、Appleの変更に伴って、今後のEメール開封率の精度が低くなる可能性があることにご注意ください。今後は、クリック数や返信数など、実際のエンゲージメントがもっと正確に反映される信頼性の高い測定指標に着目しましょう。また、開封情報のトラッキングを利用している後続のマーケティングプロセス(リストのセグメンテーション、オートメーションなど)も精査してください。何から手を付けたらよいか分からない場合は、以下のチェックリストを利用して、影響を受ける可能性のあるHubSpotの機能をご確認ください。

 

影響を受ける可能性のあるHubSpotの機能チェックリスト

今回の変更で影響を受ける可能性のある既存のレポートやプロセスをきちんと把握しておくことをお勧めします。変更に伴う影響を評価する際のベースラインを確立し、それに応じてプロセスを改善してください。

以下は、Eメール開封トラッキングを利用している可能性があるHubSpotの機能の一覧です。

  • プロパティー:以下のプロパティーが影響を受ける可能性があります。これらのプロパティーを使用しているレポート、リスト、ワークフローをモニタリングし、更新を検討してください。また、これらのプロパティーを参照しているAPI連携も精査が必要です。
    • 前回のマーケティングEメール開封日
    • 開封されたマーケティングEメール(件数)
    • 最初のマーケティングEメール開封日
    • 最後のエンゲージメント以降の送信数
    • 最近Eメールが開封された日
    • 最後のエンゲージメント日
    • 任意のスコアリングプロパティーまたは計算プロパティー
  • ワークフロー:「開封」に関する測定指標やプロパティーが含まれるかどうか、ワークフローを精査する必要があります。次の要素を確認してください。
    • トリガー(「マーケティングEメール」トリガーなど)
    • 遅延
    • 目標基準
    • 除外リスト
    • 分岐
  • レポート:
    • 「開封」に関する測定指標やプロパティーを参照しているかどうか、カスタムレポートの上記の部分を精査してください。
    • Eメールレポートを精査、評価してください。変更点を確認し、クリックや返信に関するデータに基づく意思決定に切り替えることを検討します。
  • リスト:「開封」に関する測定指標やプロパティーを参照しているかどうか、リストの上記の部分を精査してください。

           

今後の展開はどうなりますか?

現在、当社の製品開発チームが、HubSpotのEメールツール内でこの変更に対応する方法を評価しています。最新情報は追ってお知らせします。それまでの間、このトピックについてコミュニティーのメンバーと意見交換をしたい場合は、こちらのスレッドにご参加ください。

 

*このコンテンツは「How to Prepare for the Apple's iOS15 Privacy Changes [Checklist included]」(著者 Deanna Schwarz)を翻訳したものです。

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