ビジネスはさまざまな要素が複雑に関わり合って形づくられており、その関係性は各社各様です。企業が本質的な成長を遂げるには、そうした関係性のささいなニュアンスも取りこぼさずに反映できるCRMソフトウェアが必要になります。そのためHubSpotでは、CRMのメジャーアップグレードの一環として、HubSpotの関連付け機能の強化を優先的に実施いたしました。
2021年9月以降、40万人を超える非常に多くの皆さまに、強化された新しい関連付け機能を公開ベータ版でご利用いただいてきました。そして2022年4月18日、全てのお客さまへのご提供を開始いたしました。
4月18日以降、以下のことが行えるようになりました。
- 全HubSpot製品の全エディション
- 1件のコンタクト、取引、チケットに対し、複数の会社レコードを関連付ける(例:鈴木花子さんをA社には意思決定者、B社にはアドバイザーとして関連付ける)
- ProfessionalとEnterprise
- 異なる標準オブジェクト間でカスタムの関連付けラベルを作成する(例:コンタクトと会社の間で「アドバイザー」というラベルを作成する)
- レコード間の関係を示すラベルを付ける(例:鈴木花子さんをA社の「意思決定者」として登録する)
- リスト、ワークフロー、レポートで関連付けラベルを使用する
- Enterpriseのみ
- カスタムオブジェクトの関連付けスキーマをUIから定義する(従来はAPI呼び出しが必要でした)
- 標準オブジェクトに加えて、カスタムオブジェクトにも関連付けラベルを作成、使用する
HubSpotのどのエディションをご利用の場合でも、この機能の導入によってCRMのデータをきめ細かく管理できるようになるため、お客さまにはHubSpot活用を通じてさらなるビジネス成長を実現していただけるものと思います。
4月18日の変更内容を全てまとめたリストを作成しましたので、ぜひご一読いただければ幸いです。なお、今回のアップデートは純粋な機能追加であり、お客さまの既存データに影響はありません。
CRMデータ、CRMの関連付け、データモデリング
- 以下のことが行えるようになりました
- コンタクト、取引、チケットに複数の会社を関連付ける[全エディション]
- カスタムオブジェクトを含む、異なる2つのオブジェクト間の関係を示すラベルを付ける[全エディション]
- 以下の点にご注意ください
- この機能の導入に伴って、お客さまのCRMデータが直ちに変更されたり自動的に変更されたりすることはありません。
- 1件のコンタクトに複数の会社を関連付けることが可能になったため、最初に関連付けられた会社が既定で「プライマリー」として登録されますが、レコードページから、またはAPIかインポート経由で変更できます。
- 関連付けられた会社レコードのうち「プライマリー」として登録されているものが、既定でリスト、レポート、ワークフロー、パーソナライズトークンのフィルターに使用されます。
- タイムラインイベントとエンゲージメントは、既定でプライマリーの会社に関連付けられたレコード(複数の会社に関連付けられている1件のコンタクトなど)に対して1対多の関係で同期されます。
- 会社のライフサイクルステージをコンタクトや取引に同期するオプションを有効にしている場合、プライマリーの会社のライフサイクルステージのみが更新されます。
データのインポート
- 以下のことが行えるようになりました
- 複数の会社の関連付けをインポートし、「プライマリー」のラベルを設定する[全エディション]
- カスタムラベルを含むデータをインポートする[Professional、Enterprise]
- 以下の点にご注意ください
- インポートを利用して、既存の会社の関連付けを上書きすることができなくなりました。代わりに、インポートを利用して新しい会社にプライマリーの関連付けを設定し、その関連付けを他のHubSpotツールでも参照できるように設定することをお勧めします。
- インポートするスプレッドシートには、「関連付けラベル」というタイトルの列を作成して「プライマリー」など関係を示すラベルの名称を入力してください。複数のラベルを入力する場合は、セミコロンで「アドバイザー;パートナー」のように区切ります。
オートメーション/ワークフロー
- 以下のことが行えるようになりました
- 関連付けられたレコードの属性をワークフローの条件に設定する場合に、関連付けられたレコードのうち、その条件を満たすものを全て参照するか、特定のラベルが付いたレコードに絞って参照するかを指定する(例:「山田」という名前のコンタクトが関連付けられている会社をワークフローに登録する場合に、「山田」という名のコンタクトレコードを全て参照するか、「従業員」のラベルが付いたレコードに絞って参照するように指定する)
- Eメールを送信する(会社ベースのワークフローのみ)(例:会社の「意思決定者」としてラベル付けされたコンタクトにのみEメールを送信する)
- プロパティーの値を設定、コピー、クリアする(例:取引のステータスが「成約」に変更された時点で取引ベースのワークフローを実行して、取引に関連付けられた「パートナー」の会社のみを更新する)
- If/then分岐(コンタクトベースを除く全てのワークフロー)(例:会社に「山田」という名のコンタクトが存在するかを確認する分岐をワークフロー内に作成する場合に、「山田」という名のコンタクトレコードを全て参照するか、「従業員」のラベルが付いたレコードに絞って参照するように指定する)
- ラベルの種類を指定してワークフローの条件を更新する[Professional、Enterprise]
- コンタクトベース、会社ベース、取引ベース、チケットベースのワークフローアクションに、ラベルによるフィルタリングを適用する[Professional、Enterprise]
- 以下の点にご注意ください
- 既存の全ワークフローは、従来と同じように作動します。
- 新しい種類の関連付けを使ったレコード(コンタクトや取引に関連付けられた複数の会社など)をワークフローに活用するには、ワークフローアクションの対象を「プライマリーの会社」から「すべての会社」に変更する必要があります。
- ラベルによるフィルタリングは、会社ベース、取引ベース、チケットベースのワークフローでIf/then分岐にも適用されます。
レポート
- 以下のことが行えるようになりました
- 「従業員」ラベルの付いたコンタクトの数について、業種別の平均値を示したコンタクトレポートまたは会社レポートを作成する
- カスタム レポート ビルダーで関連付けラベルを使用し、データのセグメント化や絞り込みを行う[Professional、Enterprise]
CRM
- 以下のことが行えるようになりました
- コンタクト、取引、チケットに複数の会社の関連付けを追加する(レコードの編集権限を持つ全ユーザーが対象)[全エディション]
- レコードを関連付ける際にラベルを適用する(例:鈴木花子さんのコンタクトレコードを「パートナー」のラベルでC社に関連付ける)[Professional、Enterprise]
- 以下の点にご注意ください
- 会社レコードが1対多の関係にある(1件のコンタクト、取引、チケットに複数の会社が関連付けられている)場合、「プライマリー」タグが表示されます。
- 前述の通り、リスト、レポート、ワークフローでは「プライマリー」として関連付けられたレコードが既定で参照されます。上記の「CRMデータ、CRMの関連付け、データモデリング」セクションをご確認ください。
- プライマリーの会社は、コンタクトのインデックスページの[プライマリーの会社]列に表示されます。複数の会社が関連付けられている場合、コンタクト、取引、チケットの各インデックスページの[関連付けられた会社]列に関連付けられているレコード数が表示されます。
設定
- 以下のことが行えるようになりました
- カスタムの関連付けラベルを定義し、ワークフロー、リスト、レポートといったHubSpotのツールで適用して使用する[Professional、Enterprise]
- カスタムオブジェクトと他のオブジェクト間の関連付けをUIから定義する(従来はAPI呼び出しが必要でした)[Enterpriseのみ]
API/カスタム連携
- 以下の点にご注意ください
- 関連付けAPI v4は、今回の新しい機能に対応しています。詳しくはこちらのドキュメント(英語)をご覧ください。
- API v1またはv3をご利用中のお客さまは、以前とまったく同じ方法で引き続きお使いいただけます。
- カスタム連携とHubSpotエコシステムの連携機能で新しい関連付けを使用するには、v4へのアップグレードが必要です。(注意:複数の関連付けが自動で作成されたり、読み込まれたりすることはありません。手動の更新が必要になります)。
- 1対多の新しいID関連付けに関しては、こちらのドキュメント(英語)をご参照ください。
次のステップ
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