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KaoruM
by: HubSpot Employee
HubSpot Employee

HubSpotで売上目標と実績を管理しよう!【プロサービスブログ#1】

こんにちは。HubSpot インバウンドコンサルタントの三瀬です。

この記事では、日本のお客様からよく寄せられるお悩みの中から、HubSpotを使用して予実管理を行う方法について、テクニカルコンサルタントの柳澤と共に具体例を交えて解説します。

 

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よく頂くお悩みの声:

  • HubSpotの目標機能をダッシュボードにうまく反映することができない
  • 受注目標と売上目標があり、売上は納品や入金が行われた時点で確定する。しかし、HubSpotでは受注目標しか管理できない。
  • 一回の受注に対して、納品や入金が何ヶ月かに分かれて行われることがある。どう管理したら良いかわからない。

これらのお悩みについて、解決方法を解説します。

ちょっとした工夫が必要ですが、こんな複雑な管理もHubSpotを使って実現することができます。

 

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例とするビジネスの状況:

  • 製造業で、受注後に納品のタイミングで売上が計上される
  • 個人の目標は受注額が中間指標で、重要指標は売上額。3ヶ月毎の売上目標を持つ
  • 取引例:30万円の取引を、2023年1月、4月、7月に受注。売上が上がるのは1〜8月の8ヶ月で、毎月10万円ずつ計上
  • 納品情報は、別途管理システム側で管理している

 

まず、最終的に数字管理をするダッシュボードの完成形がこちらです。

1-report.png

 

  • 受注額・・・受注した取引の合計受注金額です。
  • 確定売上・・・受注取引のうち、納品済みの合計金額です。以降、売上金額と呼びます。
  • 目標売上に対する進捗率・・・目標の売上額に対しての金額の進捗率の期間合計を表しています。
  • 四半期ごとの目標売上に対する進捗率・・・目標の売上額に対しての進捗率を、四半期ごとに表しています。
  • Qごとの受注VS売上棒グラフ・・・受注金額に対する売上金額の差分を、四半期ごとに表しています。

 

いかがでしょうか。今までスプレッドシートなどで集計していた情報を、HubSpotのダッシュボードに集約することができます。

チーム/個人単位や、期間のフィルタなども柔軟に変更できるので、営業管理者の方がスプレッドシートの式作成に苦戦したり、誰かが表を壊してしまう心配はもうありません。

 

また、このダッシュボードは定期的にメールで配信することができるので、HubSpotにあまりログインすることがない経営層の方や、営業管理者・担当者の方々も数字に基づいた活動を行うことができます。

 

なお、納品により計上される売上金額は外部システムから連携することを想定しています。HubSpotを使用する営業担当者の方は、合計受注金額と受注日をHubSpotに入力するだけで、その後の確定売上金額については手を加える必要はありません。

 

では、具体的な作成方法を見ていきましょう。

 

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必要なHubSpot製品のエディション

  • Operations Hub Enterprise

 

必要な開発

  • 管理システムとのAPI連携・・・納品が行われるタイミングで、管理システムから納品情報をHubSpotのカスタムオブジェクトに送り込みます。

 

必要なオブジェクト

  • 取引オブジェクト:営業が受注管理を行うオブジェクト。通常の取引管理と同じく、案件ごとに取引を作成します。
  • 確定売上オブジェクト:管理システムから納品情報が格納されるオブジェクト。

 

開発前に作成しておく計算プロパティ

  • 目標売上に対する進捗率(%)=確定売上/目標売上

 

Operations Hubを使った具体的な設計方法を解説します。

こちらのダッシュボードを作成する際は、以下のようにデータテーブルを作成してください。

 

カスタムオブジェクトテーブル:確定売上

プロパティ

  • 売上年度(テキスト):今回のダッシュボード作成において、確定売上レコードを年度別にまとめることで、レポート作成がしやすくなります。
  • 売上予定額(数字/通貨):Custom Objectsの更新APIでOperations Hubのカスタムコードを使用し、取引がクローズしたらワークフローへ登録し、こちらのプロパティの総額をアップデート
  • 確定売上(数字/通貨):請求管理システム上で入金が確認できたら、Custom objectsの更新APIを使用し、更新します。
  • 各月の売上確定額(数字/通貨):請求管理システム上で入金が確認できたら、Custom objectsの更新APIを使用し、更新します。
  • 四半期毎の売上確定額(数字/通貨):Operations Hubを使用し、3ヶ月毎の売上確定額の合計を算出するように設定します。

関連付け:今回の事例では、確定売上オブジェクトと、取引オブジェクトを関連付けするように設定します。

 

上記のオブジェクトの設定が完了したら、データを連携またはインポートを行って、レコードを作成します。


データの準備ができたら、こちらの記事の手順に沿って、データセットの作成を行っていきます。『プライマリーデータソース』のドロップダウンから、『確定売上』のオブジェクトを選択し、次へ進み以下のようにフィールドを作成します。

 

2-dataset.png

 

必要なフィールドが完成したら、『作成』をクリックして、データの準備が完了です。

 

データセットの画面から、『確認』をクリックし、『保存してレポート作成』をクリックして、レポート画面へ進みます。

2-2-dataset.png

 

3-report.png

 

上記のレポートを任意のダッシュボードに追加し完成です。

 

次に四半期毎の受注額と、売上確定額を比較するレポートを作っていきましょう。

こちらのカスタムレポートの記事に沿って、レポートを作成します。

 

プライマリーデータのソースは『売上確定』オブジェクトを選び、セカンダリーデータは『取引』を選択します。

レポートタイプはチャートを選択し、Y軸に『第一四半期売上予定』の合計と、X軸に『クローズされた取引金額』を設定し、フィルターには取引のクローズ日を、第一四半期の期間の範囲として設定します。このステップを残りの四半期ごとに繰り返すと、以下のように四半期毎のレポートが作成できます。

 

4-final.png

 

ここまで、具体的なデータの連携方法・データセットの作成方法・レポートの作成方法を解説しました。

 

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HubSpotの良いところは、データさえあればレポートを柔軟に作成できるところです。

近年リリースされたデータセット機能も、複雑な計算式を色々なレポートに転用できるので、便利な機能として注目されています。

 

この記事を読んで、実装方法に疑問がある方や、並走支援をご希望の方はぜひプロフェッショナルサービスのコンサルティングをご活用ください。また、本ブログでご紹介した内容について技術的な解説をご希望の場合は、テクニカルコンサルタントとのミーティングを設定いただくことも可能です。

 

今回はプロフェッショナル サービス チームのブログ第一弾として、HubSpotを活用した予実管理方法についてご紹介しました。

これからもいくつかの記事を連載する予定ですので、どうぞお楽しみに!皆様のお役に立てば幸いです。

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